オオクワガタ三回目の産卵実験

ブリードルーム

メスは三回も産むのか?前回はオオクワガタ二回目の産卵実験について書いた。今回は三回目の産卵実験と、一年前に交尾させて冬眠を経たメスも同時にしかけた。実験結果は今年のメスが想定通りだったのに対して、昨年のメスで仮説が打ち砕かれた。

今年に交尾をしたメスは三回目で産むメスと産まないメスに分かれた。結果をみると、産むメスは一、二回目と遜色のない幼虫数だった。クワカブ研究所は過去から三回目の産卵を行っており、産まないメスがいることを把握している。産まないメスに共通する特徴は「もぐらない」という点である。

一方で二回目の産卵後、冬眠を経たメスは全て産まなかった。仮説は産まないメスが一定数増えるが、産むメスもいるというものだった。結果をみると、「もぐる」という要素は産卵と関係がなかった。推定される原因は「何らかの産卵ホルモンが交尾をきっかけに時限的に分泌され、期間が空くと止まる」ということが起きのではないか。

今回の実験から分かることは三回目の産卵は間髪空けずに行うと成功率が上がる。実験では二回目の産卵から四週後に三回目を行っている。実際に幼虫頭数は二番のメスで一二頭(合計四一頭)と爆散血統の兆候をみせている。また、五番のメスは三回目まで五頭ずつと産卵の勢いが衰えていない。現在、二番と五番のメスは四回目の産卵実験に入っている。

注意すべき点はコストである。今回の実験は成功率五〇%、平均幼虫数で四・二五頭と二回目までの平均七頭台を下回った。当然、産卵のための費用は二回目と同様だ。また個体差は十分に考慮すべき点であり、この実験よりも少ない場合、多い場合があることも忘れてはいけない。産卵回数と結果は数を重ねる毎に確率が落ちるが頭数を確保できる。あなたなら、どう判断しますか?(吉虫)

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