転んでもただでは起きないⅡ~キノコ発生編

ブリードルーム

またもミスがあった。実験で使ったクワガタ用菌床は六カ月以上も棚に放置されていた。キノコは袋のフィルター部分から外へ伸びていた(写真1)。この期に及んでは菌床を無駄にするより、キノコの発生実験で少しでも傷跡を残そうと決めた。

前置きをしておくが、クワガタ用の菌床や菌糸ビンはクワガタ幼虫の育成に特化させるため芽が出ないように作られている。つまり、この実験は条件をそろえて出づらいものを出す実験なのだ。キノコの種類はヒラタケ属のキノコで発生の温度帯が八~二五℃と幅広く持てる。しかし、湿度帯は厳しく七〇~九〇%が適正とされる。

まずは菌床から意図的に発生させてみた。培養日数は通常六〇日でよいところ、すでに三〇〇日近く達しキノコが出やすい状態だった。まずは袋の上部を切り、部屋の隅に数日間おいた。結果は湿度五〇%と条件に満たなかったもののきれいにキノコが発生した(写真2)。芽の付きづらいクワガタ用菌床は培養日数を長くするとキノコが出やすくなる。

ヒラタケ属のキノコはうまみ成分が濃いため出汁を取ることができる。今回は採れたてのキノコなのでおいしそうな焦げ目をつけて炒めてみた。色々と試したところ、もっとも相性が良かった組み合わせはベーコンと塩コショウだった(写真3)。ヒラタケ属のキノコは独特の風味がある。別のうまみ成分を出すベーコンはその癖をうまくカバーしてくれる。

次に菌糸ビンから意図的にキノコを出せるか試した。実験用の菌糸ビンは培養日数約六○日と短かったが、三本の菌糸ビンを部屋の違う場所に設置してみた。結果は風呂場の扉付近に置いた一本から芽が出た。残念なことに芽は成長段階で乾燥して傘が成長しなかった(写真4)。今回はここまでだが、成功させる方法は今回の失敗でみえた。キーワードは湿度。後日談も乞うご期待!(吉虫)

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