移りゆく季節を表現した作品です!
作品タイトル『冬を越えた先に』
作品ストーリー
日本のクワガタには厳しい寒さを乗り越え、翌年に活動期を迎える種がいます。本ジオラマ作品では標高の高いブナ帯に生息する小型種に焦点をあて、冬から春、初夏へと季節が移りゆく様を表現しました。左側から見ていきましょう。雪が積もる厳しい寒さの中、ツヤハダクワガタは赤枯れの朽木で越冬しています。白銀の世界に舞い降りたのは冬夜蛾(キリガ)の仲間で随一の美麗種タニガワモクメキリガ。他の生き物が活動しない気温でも活発に飛び回る昆虫もいます。
雪解けの時期になり、苔の生えた倒木を歩くのはマダラクワガタ。日本最小のクワガタとして有名ですね。上を見上げるとユキグニコルリクワガタが飛翔しています。このクワガタが飛ぶ頃には木々の新芽が開き、様々な昆虫が活発に活動を始めます。
カブクワマニアがアツくなる季節が目の前です!
応募作品
①
②
③
作成者コメント
今回のジオラマ作成では小型種をメインに扱ったため、繊細な作業が多く、立体的な展足作業に苦労しました。特にユキグニコルリクワガタが飛翔する様子やマダラクワガタの脚部と触覚など見えづらい部分にもこだわったのでじっくり見ていただけると嬉しいです。土台はコルクボードを部分的に火で炙り、赤枯れの朽木が静かに強調されるように工夫しました。捉え方によってはアスファルトに落ちた材木にも見えるかもしれません。
扱った昆虫について、当初は小型種3種に加え、ブナ帯と言えばのヒメオオクワガタもジオラマに加える予定でした。しかし、越冬している様子を表現したかったため、雪を装飾に取り入れると同時に、積雪の時期にも活動するタニガワモクメキリガを加えました。
全体的にマイナー寄りの昆虫を扱いましたが、生態や形態が特徴的で素敵な昆虫達です。
本ジオラマ作品を通して、これらの昆虫達に少しでも魅力を感じていただけましたら幸いです。
作成者プロフィール
投稿者:加賀みのむしさん
ジオラマ歴:昨年のコンテストにも参加させていただきました。ジオラマ作品は今回で2作目となります。日頃より甲虫と蛾を中心に標本を作っています。
クワカブ飼育採集歴:昔は国産中心にカブクワを飼育していましたが現在は採集に熱が入り、飼育規模が縮小しています。場所をとらない小型種の飼育に興味があります。