心引き締める秋

マガジン-201712-1-P1020296 ブリードルーム

月夜野きのこ園ブリードルームでは、月夜野きのこ園での昆虫の飼育や産卵などについてを発信していきたいと思います。第38回は「心引き締める秋」についてです。

予期せぬ事態

北の方角を見ると怪しい雲がおおっていた。翌日、谷川連峰の向こうで例年より早く雪が降った。ブリードルームは谷川岳から南に二十キロ程離れたところで降雪はなかった。しかし、今年は昨年より早く雪が降ると予感した。

先週、一頭の幼虫に高温障害と考えられる異常が見付かった。割出後十週目にも関らず蛹化していた。十月後半から夜間の外気が下がり、暖房によるホットスポットができていた。昨年にはない条件が重なり、解決策が間に合わず、幼虫はダメージを受けた。

季節は巡るが

思い返してみると、関東の梅雨は真夏の様で、真夏は梅雨の様だった。初秋に台風が連なり日照時間は異常なほど短かかった。天気予報によると黒潮の大蛇行が秋の気候に影響したようだった。様々なサインが出ていたにも関わらず、対応が後手になってしまった。

毎年、同じように春夏秋冬は巡る。しかし、季節の中身は同じだったことはない。当然、頭では分かっていたが、心の底では油断していた。「昨年も乗り切ったから大丈夫」という油断があった。この世は無常だと改めて心に刻む秋になった。(吉虫)

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