新しい朝、新しい季節

マガジン-201805-1-Every_morn_is_a_fresh_beginning ブリードルーム

月夜野きのこ園ブリードルームでは、月夜野きのこ園での昆虫の飼育や産卵などについてを発信していきたいと思います。第43回は「新しい朝、新しい季節」についてです。

無常という仏教思想

「朝ごとに、ものみなあらたにはじまり、朝ごとに、世界はあたらしくなる」

『赤毛のアン』の言葉である。この心境にあれば、マンネリ化はあり得ない。日本人の根底に埋め込まれた無常という仏教思想は、万物が常に変化することを説いている。向い入れた季節も、訪れる朝も、新しい出会いだ。

経験は諸刃の剣

今年の春は、少し早めにやって来て、あっと言う間に過ぎ去ろうとしている。みなかみ町は、春なのに日中だけ初夏のような気温になり、夜になると山地らしい一桁台の寒さになる。長期予報によると、今年の夏は猛暑になるそうだ。二〇一八年の気候は、過去三年とは全く別物だろう。

ペアリングは一カ月前倒しでスタートしている。過去のデータによると、孵化数は暖房も冷房もほぼ入らない春から初夏に、良い結果が出ている。ただし、過去の環境条件は、気温だけではなく、様々な要因で成り立っている。だからこそ、実地は状況を観察しながら、注意深く臨まなければならない。

経験は諸刃の剣である。落とし穴は、毎年巡る春夏秋冬が同じものと捉えることだ。むしろ、我々の感覚は、新しいパターンを迎え入れる気持ちで臨めば、変化を敏感に捉えるだろう。毎朝目覚めた時に、窓を眺め、「これは新しい」と感じ取れれば、未来は開けると思う。 (虫吉)

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