月夜野きのこ園ブリードルームでは、月夜野きのこ園での昆虫の飼育や産卵などについてを発信していきたいと思います。第4回は昆虫飼育と文化についてです。
行儀という概念
虫に行儀という概念は当てはめていいのだろうか?エサ交換をしていると そう感じる時がある。エサをひっくり返して散らかす虫がいる。一方で空になった2つのゼリー容器を重ねて整理整頓している虫もいる。頭が下がる。
数多く虫を飼育すると個体差を強く感じる。同種でも個体ごとに個性がある。気性の激しい小心者(虫?)もいれば、自信満々に堂々と行動する虫もいる。性別、サイズによっても違う。それだけ考えていても興味は尽きない。
人間の行儀作法は時代によって変化する。例えば洋食のマナーは西洋人が大昔からやっていたことではない。十五世紀にイタリア人シェフが「食事の作法50則」 を書き広まったとされる。中世までは手を使いベットの上で食事をする事はマナー違反ではなかった。虫も人間もそれほど違わなかったとも言える。
日本人の癖
虫に行儀作法がないことくらい承知している。しかし、日本人の癖である擬人化して自然を見ることは払しょくできない。きれいにエサを食べる個体に「いい子だ」とつい感じてしまう。西洋では厄介者扱いされる昆虫を日本人は好んで飼育する。擬人化する楽しみを知っているからかもしれない。昆虫飼育は文化なのだ。