評価するって難しいよ

ブリードルーム

クワカブ研究所は新しい菌のテストを行っている。菌床や菌糸ビンのコア材料である種菌はブリードしてはじめて評価できる。昨年の秋にスタートしたオオヒラタケ系の新菌テストは羽化割出が終了するのを待つだけになった。問題点は評価方法だ。

評価ポイントは
①産卵頭数
②2令幼虫死亡率
③羽化率(三令幼虫死亡率を含む)
④サイズ
とした。

現時点では①と②の集計が行える。実験はオオクワガタを可能な限り同条件でペアを組み、テスト用の少ない種菌を各成長ステージに割り当て通年かけて行った。新菌は現行菌と同等ならば合格である。

図には産卵頭数、2令幼虫死亡数とそれに関係するデータを並べた。相撲の星取表のように○●で比較する方法はサンプル数が少なく安易だ。死亡率は実数でなく割り算の値なので分母の数がものをいう。統計学的な方法も検討したが、幼虫割出数は釣り鐘状に分布せず使えない。では、どんな方法があるのか

着眼点はオオクワガタの幼虫の特性に合った比較だ。過去一年のデータは「幼虫割出数と幼虫死亡数は正の相関(〇・四六)をする」と示している。つまり、ペア毎の幼虫割出数が多い場合、2令幼虫の死亡数も多くなるということだ。成長ステージ毎に一貫性のないデータは2令幼虫まで生存した幼虫数の比較で、ならした数値として評価が可能になる。

2令幼虫の育成を終えた最終幼虫数は新菌と現行菌の差が一〇%以内と誤差範囲だ。サンプル数が少ない実験では個体差でカタヨリやバラツキが高頻度で出る。異常値を捨てる統計方法を使った場合は2令幼虫の死亡率に差がなくなる。

様々な角度からデータを比較すれば客観的な評価は他にもあるだろう。だた、経験則で言わせてもらえば、新菌は合格である。心の中には色眼鏡をかけそうな自分がいる。公平に疑う心は科学的追及の母だと思う。(吉虫)

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