
エントロピーは日本語で「乱雑さ」と表現される。エントロピーは熱力学から始まり統計力学に進化して、情報理論、哲学、社会科学で応用されている。応用分野は情報理論をもとに発展している。今回はブリードを熱力学と情報理論のエントロピーで考える。
ポイントは熱力学第二法則「エントロピーは増大する」だ。簡単に言えば、ほっとけば物質は乱雑になる方向でだけに進む。情報理論は世の中の現象を情報に置き換えて数値化できる。最新チャットGPTは情報理論のキーワード、条件設定、組み合わせ方を知れば計算してくれる。それはまるでハリーポッターが呪文を学び、使いこなすのに似ている。
ブリードのエントロピーはリアルな数値で算出すると手間がかかるので、単純化して近似値で算出した。前提は全ての個体を識別できるようにしてからデータを取るとする。グラフは次の条件でエントロピーを算出する。
Step1はオス・メスが二○頭。
Step2はペアリング数で一○個。
Step3は幼虫割出で一○○頭。
Step4は菌糸ビン交換で九○頭。(死亡⒑%)
Step5は羽化割出で七○頭。(死亡⒛%)
Grouping個別に棚卸をしてオス・メス毎にサイズと用途別でカゴに分類する。
結果は分類(グルーピング)でエントロピーは約6ビットから2ビットまで落とせる。
乱雑さの減少は分類や死亡処理というエネルギー(作業)を使って実現できる。この作業は工数であり、人の疲労などが代償になっている。次のStepである種虫としてブリード、他の用途のため移動、新たな死亡処理は分類により各段にコストを抑えて行うことができる。分類しなければ、エンタルピーは増大してより多くのコストがかかることになる。
今回はブリードのエンタルピーを情報理論に基づき算出した。本当に書きたい事はこの計算をさせた原因であるトラブルだ。つづく…(吉虫)


