月夜野きのこ園ブリードルームでは、月夜野きのこ園での昆虫の飼育や産卵などについてを発信していきたいと思います。第32回は「オオクワガタ・選抜方式の途中経過その2」についてです。
大型化の停滞
羽化した虫を大きいものからブリードしていく選抜方式を行い、サイズアップを実現した年とそうでない年があった。2014/2015シーズンは、微量ながらサイズダウンしていた。なぜなのか?原因を追究してみた。
虫にかかるストレスはどのくらいあるのだろうか。過去の履歴を紐解くと、2014年10月30日に、大々的な部屋の引越しがあった。三千頭近い幼虫を半日で、別の部屋に移動した。幼虫たちは鉄の車輪の台車に乗せられ、コンクリートや段差の断続的な振動を経験していた。
新しい環境が影響した可能性もある。引越し前の両隣が部屋に囲まれた中部屋より、引越し後の角部屋のほうが、環境条件が悪くなった。角部屋は外に面する壁が多く、外気の影響をじんわりと受け、不安定になりがちだった。2015/2016年シーズンの75UP率42%台への増加と対比すると、2014/2015シーズンは3.6%と低調な結果になってしまった。
ストレスの影響?
引越しのストレスが原因とすると、2016/2017シーズンに羽化する虫が心配になった。2016年8月に、トラック輸送を伴う2度目の引越しがあった。環境も変わり、四方を外気にさらされる部屋へ移った。また、大部屋から3つ小部屋になり、環境制御は一からやり直しになった。悪い条件は見事にそろった。
一つだけ明るい兆しもあった。改善を進めた結果、1月以降に生まれる幼虫の数が急増した。引越しのストレスを受けた幼虫達とは別だが少し期待してしまう。結果の集計は紅葉の頃には出ているだろう。(吉虫)