なぜ、メスばかり巨大化していくのか?

ブリードルーム

クワカブ研究所は摩訶不思議な状態に陥ってる。オオクワガタのブリードは第五世代に入り、オスが八三・〇ミリで止まって四年が経過したが、メスは低迷期を経て昨年から五五・○ミリ、今年になり○・五ミリずつ刻み五六・五ミリまでサイズアップした。現象がよく分からない時は多様な切り口で確認する。

第一の確認は個体記録を画像に落とし込み、六五・〇ミリのオスと並べた。比較写真から五六・五ミリのメスは厚み、横幅でオスを凌駕している。オスの大型化は「アゴサイズ」+「頭部以後のサイズ」なので、大型化したメスの体がオスの大型化に貢献しそうだ。

第二は血筋をさかのぼり特徴がないか確めた。サイズアップは偶然でなかった。今年に羽化した五五・五ミリ以上のメス五頭は、二通りの母系からきている。三一四二系は兄妹オスに八一・○ミリを出す阿古谷・久留米の血を持つ母系だ。三○七九系は母が五二・〇ミリで最も大きいがが、他に特徴もなく「未知の大型化血統(メス)」といえる。さらに父系の特徴は過去の大幅サイズアップをした血筋(一四五八系、一六一九系)が含まれる。

第三の確認は大型化したメスの姉妹を調べた。羽化割出の途中なので参考値だが、三一四二系は平均サイズが五一・五と五四・九ミリで最大値を含む。一方で三○七九の姉妹は平均サイズが五三・三~八ミリと安定して大型のメスを輩出している。

最後の確認はメスとオスがサイズアップの関係性だ。第一にメスはオスより羽化タイミングが早い傾向にあり、これからの割出でオスの記録更新の可能性がある。第二にオスの最大記録更新はメスが更新された次の世代で更新されるというデータがある。どちらにせよ、今後はオスのサイズアップも期待して良いだろうし、このタイミングでメスだけがサイズアップしている様に見えるだけと考えるのが妥当な判断だろう。(吉虫)

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