変形?『T1963SR2M710-7』

ブリードルーム

ある日、特殊な形状をしたオオクワガタが産まれていると報告があった。このオオクワガタは前胸背板が盛り上がっており、前頭と前胸背板の間がくびれていた。当然ながら、この虫は出荷対象から外れた。

商品という観点からみて、この虫は奇形である。しかし、生物として捉えると、この虫は変形とも言える。この個体の兄弟をチェックすると、前胸背板の「盛り上がり」はなかった。推定原因は突然変異か、発達段階で何かが起きたのであろう。

突然変異はどのくらいの頻度で起きるのだろうか。クワカブ研究所は年数千頭を相手にすると、小さな比率ながらも羽化不全による奇形や、欠損を持つ虫と出会う。ただ、変形した虫は稀である。だから、形の違う虫には突然変異ではないかと考えてしまう。

ブリードルームは野生環境でない。だから、この形状が生存、生殖に優位であるか否かは確かめられない。仮にこの虫をブリードしても、同一の変形は遺伝するかさえ分からない。この個体はどのように扱うべきか、悩みどころである。個人的見解だが、この形状は嫌いでない。(吉虫)

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