今年の4月は2015年以来の雪が降った。4年前と言えばクワカブ研究所が環境コントロールの難しい部屋で苦戦していた時期だった。今、みなかみ町南部の桜は満開にして、5℃を切る夜もあることから、花持ちの良い春となっている。平成最後の4カ月はもう終ろうとしているが、良い成果を令和に引き継げそうだ。
オオクワガタ羽化は、頭数、サイズで前年同時期比を上回っている。頭数が増えている理由は、幼虫数が前年比1.3倍になっていることもあるが、その値を上回る3.4倍の頭数も生まれている。以前の記事で書いた暖冬の影響は現時点での結果につながっているかもしれない。もう一つの要因は持続的に行っている飼育環境と方法のカイゼンであろう。
サイズに関しては、懸念していた人為的な加温による孵化から羽化までの期間短縮の影響もなく軒並み良好だ。幼虫の約3割は、羽化時期を分散させるため、23℃と25℃の部屋へ分けて入れてある。78.5ミリ以上のオスの頭数は、前年の1月1日から4月9日までが1頭だったのに対して、今年はすでに10頭も生まれている。
どのような血統がサイズアップに貢献しているか分析した。図は、サイズ上位10位のオスにある共通点をまとめたものである。もっとも特徴的なファクターは、9割に能勢YGの血が過去4から5世代に入っている点だ。さらに興味深い点は、3頭が2世代前に60ミリから75ミリ以上にサイズアップした血を持っていることだ。果たして、サイズアップ因子は存在するのだろうか?(吉虫)