月夜野きのこ園ブリードルームでは、月夜野きのこ園での昆虫の飼育や産卵などについてを発信していきたいと思います。第3回はオオクワガタの冬場の羽化についてです。
冬の交尾や孵化の問題
年の瀬もオオクワガタのブリードを続けている。温湿度が管理された環境では量に変化はあるものの冬に交尾、孵化は可能だ。同時に昨年の夏から秋にかけて孵化した幼虫たちが十二月に遅れて羽化してきている。
自然の摂理から離れたブリードを調べていると困ったことがある。いつ割出しをするべきかという問題だ。自然に合わせてブリードすれば大体この時期に蛹化して羽化はいつになるということは大方分かる。
しかし、一年中温湿度を保てる環境だとそうはいかない。暖房が稼働する時、冷房が稼働する時、外気と室内環境のギャップでズレが生じる。自然のサイクルとは違う周期が個体ごとに生まれる。法則性を探す日々だ。
問題の解決方法
そんな時に必要なのが外観による割出し目安だ。菌糸瓶の内でオガがサラサラとしたフレーク状になっていると羽化している。成虫が菌糸をかき分けて出てきた痕跡だ。これは分かり易い一例であってほとんどの場合は掘り出してみないと分からない。