ブリードと再現性

ブリードルーム

科学も生産も再現性が重要だ。再現性がないことは、科学的な分析ができない。科学的に解明できないことは、工学的に手法を組めない。

確実性の低い生産手法は、経済的活動に不効率な結果を及ぼす。クワカブ研究所は、再現性のある生産手法を実現するため、日々、現場・現物・現実を注視している。

決めた手法は再現性のあるものなのか、三年間の検証を行っている。

添付の図は、ペアリングから羽化までのチェックポイントを指数化して評価したレーダーチャートである。二〇一七年は後半から手法と設備の変更があったため、低い値になっている。二〇一八/一九年は効果が再現した年で、死亡率以外の項目に大きな改善がみられる。

再現性を維持することは容易ではない。適切な手法は人の教育、環境設備の維持、原材料のチェック、計測の精度によって維持される。
数字の背景には、様々な問題解決と維持管理が行われている。何か一つ欠けてだけでも、結果は改善から悪化へと反転するからだ。油断は禁物である。
 
「できた!」と思った瞬間から、物事は崩壊へと向かう。

また、ブリードは生物的なバラツキ、カタヨリと上手に付き合う必要がある。
手法は再現性が一度証明されても絶対でなく、遺伝情報の変化など、目に見えない要因で悪化に転じることもある。

再現性のある生産活動は、日々の観察、分析、それに対するアクションを地道に繰り返すことで実現するしかない。(吉虫)

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