
冬は一年間のデータを分析して、次期計画に向けて準備する時だ。当然、カイゼン点は昨年中に出てきている。しかし、焦りは禁物だ。問題解決は再発防止対策の手法が使える。
第一は事象を広く、且つ詳細に調べ、書き出す。「5W3H」は有効なフレームワークだ。調べる内容は、いつ、どこで、誰が誰に、何を、なぜ、どのように、いくつ、いくらである。正確な聞き取りは、自己保身する人の性を理解して、責任を問わない姿勢が必要だ。
第二は原因追及を慎重に行うこと。原因の特定を間違えると、対策は明後日の方向へ進み、問題がかえって根を張り、別の問題発生を誘発する。フレームワークは「なぜ5回」を使う。「なぜ5回」は、より深い所に原因がある前提で追及する手法で、普段から訓練をしておく必要がある。
第三は暫定処置、別の言い方で是正処置だ。第四の恒久対策は時間がかかるため、問題発生を一時的に止める処置である。もう一つの役割は二次、三次被害を防ぐことである。注意点は「処置」であり、時々「暫定対策」と書く人もいるが、あくまでも暫定的なので「対策」をしたと誤認しないことだ。
最後は恒久対策である。ポイントは「恒久」であり、二度同じことが起きない対策である。対策のゴールは再発を防げる仕組みの定着である。ロジカルシンキングは不可欠だ。恒久対策は半年、一年、数年かかることも多々あり長期戦で挑む心構えが必要である。
問題発生時に冷静な人は良いが、多くは感情が先走る。障害となる感情は焦り(見栄等)、逃避(責任転嫁等)、不安である。ポイントは周囲の目を排除して再発防止対策に没頭して、プロセスを粛々とこなす事だ。不安は漠然しているため増大するため、複数の問題点まで解像度を高く分解することで軽減する。不安の後には恐怖が来る―この段階ではチャレンジする勇気が求められる。(吉虫)


