暖房が仇に!

ブリードルーム

悩ましい問題は纏わり続ける。研究所の目標はオオクワガタ量産時に羽化率を80%以上にすることだ。1本目の菌糸ビン交換時は幼虫死亡率を10%以内に抑えたい。改善を試みたが、2018年春シーズンは21%越えと不本意な結果となった。

1本目の菌糸ビンは、割り出し効率の良い860ccプリンカップを使用している。2018年のカイゼンは酸素不足の可能性を焦点とした。対策方法は菌糸量の調整をして、カップ内の空間を確保、空気孔を確実に開けることに徹した。結果は10月初旬まで苦戦したものの、10月2週目から4週目に死亡率が17、16、14%と減り続け、希望の光が見えていた。

ところが、11月2週目に事態は一変する。死亡率は30%越えの週を皮切りに、悪化したまま年末を迎えた。データを調べていくと、死亡率の悪化は空調が冷房から暖房に切り替わるタイミングと重なっていた。2018年の結果が前年より悪化した理由は、最低温度を22℃以上にするため良かれと行った暖房設定が仇となった。

設定の失敗は、暖房による悪影響を浮かび上がらせた。推定原因は、温度上昇により菌糸が活性化して、2令から3令へ成虫する幼虫にダメージを与えたと考えられる。菌糸は活性化により、酸素を消費して二酸化炭素を排出する。対策は作業工数、材料コスト、環境設定、死亡率を満たす連立方程式の解であり、頭を悩ましている。(吉虫)

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