ブリードの部材計画は悩ましい限りである―種類はどうする?マット、菌糸ビン?どのサイズ?量、数は?いつ?保管はどれくらいできる?などなどである。初心者は少量で基本的なやり方をコピーすれば良いのだが、ボリュームをこなす中上級者でもこの問題は難題でありつづける。主な理由は生き物であるが故、バラツキ、カタヨリがあるためである。そこで重要な事は過去の記録であり、集計することである。
今回はオオクワガタブリードを参考にするが、話を進める前にバックグラウンド情報を書いておく。使用しているブロックはEブロックである。1本目は菌糸ビン交換の効率が良いプリンカップで800cc。2本目以降は中が見やすいクリアボトルの1400ccを使用している。これがクワカブ研究所のデフォルトである。
結果から言うと、過去10年の集計からみた近5年の結果は計画する際に使用している数字を変更すべきと示唆している。具体的には1本目の菌糸交換時の死亡率は低下しており、今まで総幼虫数の10%引きで計算していたが5%に変更したほうが良いかもしれない。死亡率の目標は当初から10%以下だったので、気付かぬ内に達成へと向かっている。(図を参照)
次に注目すべき点は2本目の菌糸交換が必要になる比率である。プリカップ800ccからEP1400ccまでの菌糸ビン交換はどの幼虫でも行うが、次の1400ccへ移行する幼虫の比率は限られている。今までは春ブリードで40%、秋ブリードで14%に設定していた。集計結果は全体で30.5%、図に入れてないが春ブリードが36%、秋ブリードが8%に変わっている。付け加えておくが、大規模ブリードは場所を広く使うため環境のバラツキが大きく、ペアリング時期が違う幼虫を同居させるので、死亡率、交換比率など小規模ブリードと大きな違いがある。
クワカブ研究所で作成している部材計画は5年以上前の集計に基づいている。そのため、最近は計画時の必要数や時期が実態とかけ離れている。推定要因は一つ目が血の入れ替えをしている点、次に定期メンテナンスが軌道に乗り、日常的な改善活動が見えない形で「何か」を変化させている点である。生き物ゆえの事象だが、中期計画は新しい集計を基に計算して、短期的には直前の傾向に合わせて変更することになる。次回は「いつ」に変化があるか確かめてみる。(吉虫)


