幼虫数が増えた理由

ブリードルーム

目標の達成は無我夢中に取り組み、ある時、振り返って気付くものかもしれない。クワカブ研究所は、2013年の終わりにオオクワガタ・ワンペア辺りの幼虫数目標を平均16頭と設定した。当時は夢のような数字だったが、日々奔走している間に目標は達成された。オオクワガタのブリードは、主に遺伝要因と環境要因という二大要因があるが、比較的分かり易い環境要因に集中して改善を続けた。

この二年で総頭数、ペア辺り頭数は急激に良化している。主な要因は、大部屋一室から二つの小部屋とハウスの組み合わせの施設へ引っ越したことだった。引越しのあった2016年は虫への高ストレスや環境制御の未熟さからワンペア辺りの頭数が「9.11」まで悪化していた。環境制御方法のカイゼンに伴い、総数、ペア辺りの頭数は2倍以上の値になった。

そもそも、クワカブ研究所を始めた目的の一つは、オオクワガタ・ブリードの生産性の追求であった。遺伝要因は、高度な知識と機器を要するので、特異な事象が起きた際に対応することにした。環境要因として注意した点は、各成長ステージにおける温度帯であった。ペアリング時は室温26~28℃、湿度60%±10%で良い結果が出ている。

幼虫数が増えたことは翌年の仕事量の増加を示唆している。ブリードの原理・原則のひとつは、幼虫数と作業量が比例の関係にあることだ。当然、死亡率の増減により作業量は変化するが、死なせるつもりでブリードする人はいないだろう。現時点での課題は、作業の改善と死亡率の低下(羽化率の向上)である。また、課題達成に向け無我夢中で走ってみようと思う。(吉虫)

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