月夜野きのこ園ブリードルームでは、月夜野きのこ園での昆虫の飼育や産卵などについてを発信していきたいと思います。第15回は鬼に笑われてもいいについてです。
現実と仮説の間
クワカブ業界は現実と仮説の間で成り立っているようだ。莫大な利権を産む産業では資金が潤沢に入り学術的な研究も進む。クワカブはそういう分野ではない。取り組む研究者も少なく生態について未知なところを多く残っている。
五ゲン主義という考え方がある。現場、現物、現実、原理、原則だ。クワカブはブリーダーのもとで五ゲン主義をベースに成り立っていると思う。別の言い方をすればできるだけ科学的根拠に基づいた経験則を導き出そうとしている。仮説を立てトライアンドエラーを繰り返しながら与えられた条件下で原理・原則に近づこうとしている。
ブリーダーにとって難しい点は変動要素を制御することだろう。気温、湿度などの外気の変化や個体毎に違うDNAなど様々だ。人工的に環境を整えたとして実際はある程度外気の影響を受けてしまうことや、個体差によって同じ条件下でも違った結果になることに多々直面させられてしまう。ブリーダーにとって条件をそろえることが一番難しいことなのかもしれない。
来年の事を言えば鬼が笑う
「来年の事を言えば鬼が笑う」ということわざがある。未来は予想できないものであり、そんな事をすれば鬼からも笑われるという意味の様だ。果たしてそうだろうか?数値した記録データが蓄積されると「ある程度の確率」で予測はできると思う。鬼に笑われてもいい!年の瀬にデータを見直しながら新年のブリード戦略を組み立てたい。