カッコいい奇形

マガジン-201808-1-T1641SR1M695-14 ブリードルーム

進化の過程

生物は悠久の時の流れの中でその姿を変えて現在に至っている。今の形は決して完成形ではないのだろう。地球の気候は大きな時間軸で変化を続けている。昆虫たちは進化の過程にある。

遺伝と変異

カッコいいオオクワガタの奇形が生まれた。この個体は左側の大腮(あご)に通常の内歯に加え、二本の外側へ向いた内歯がある。エクストラ内歯が左右対称ならばもっとカッコ良かったのだろう。思ったのだが、この個体をブリードしたら内歯が多い個体が産まれないだろうか?

毎年、数千頭のブリードをすると、コンマ数パーセントだが、奇形の個体が生まれる。ほとんどは羽化不全による変形や欠損である。しかし、極まれに内歯が多い個体の様に、形状が違う個体が産まれてくる。希少だからこそ、ブリードしてみたくなるのだ。

ブリードルームは、ブリーダーが通常やらないことにも挑戦している。レッドアイなどの変異個体の実験だけではなく、羽化不全や欠損のある個体がその症状を次世代へに遺伝させるのかも調べ始めている。オオクワガタたちが大きな時間軸の中で、何を遺伝していくのか興味が尽きない。我々もまた、ブリーダーとして独自の進化の途中にあるのだ。(吉虫)

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