「Hヘラのブリード、はじめました」と言いたいところだが結果は微妙だった。時に報われないこともあるが挑戦は勉強になる。本音は恰好の良いところをみせたかった。今回のテーマは恥を忍んで失敗の考察としたい。
まずは結果だが十八ペア中、四ペア計二十九頭という微妙な幼虫数だった。願いは二○二○年の二十二ペア中、四ペア計二十四頭を大きく上回りたかった!メスに二回目の産卵をさせたので総頭数はまだ増えるだろうが…。
方法は中長期的な視点で決めた。工数がかかり管理が難しい採卵は止め、産卵させたケースで孵化させた。メスは二回目の産卵で別のケースに移した。将来の場所問題を考慮して、ケースは一回目にQボックス、二回目にMケースを使用した。もしも、この方法で成功できれば将来の運用はスムースになる。
考察ポイント①はケースだ。「底の浅いケースは産卵数が減る」という話がある。八割弱のペアから幼虫がとれていないので、この説は否定できない。しかし、一ペアのみだがケースあたり二十一頭の幼虫がとれた。
考察ポイント②は種虫の質と相性だ。一回目のハンドペアリング成功率は五割。不成立のペアは二回目をトライ、だめならメスを替えて全てを成功させた。ハンドペアリングの回数は幼虫が生まれた四ペア中二ペアが一回、一ペアが二回、最多二十一頭生まれたペアが三回失敗後にメスを変え四回で成功させた。
種虫の条件は奥深く引き続き研究対象だ。種虫は一カ所から調達し血が濃い可能性があったので、自社で羽化させた虫と合わせた。しかし、結果はクロスさせたペアで二二%、調達組のみのペアで三三%の成功率だった。種虫の質と相性は血の濃さより重要か?
クワカブ研究所の強みはロジカルな分析力、挑戦する気持ち、不屈の精神だと自負している。次の作戦は安価な幼虫を多方面から調達、羽化させて様々なペアを組みたい!(吉虫)