月夜野きのこ園ブリードルームでは、月夜野きのこ園での昆虫の飼育や産卵などについてを発信していきたいと思います。第36回は「リードタイム!?」についてです。
ブリードのリードタイム
稲穂が黄金色に輝く長月に入る。神無月になれば、茶色の地面が顔を出すだろう。春に田植えをして、秋に収穫というお米のサイクルを感じる。ブリードは同じ時期にペアリングして、冬を超えなければならない。
材料を投入して完成するまでの期間を狭義のリードタイムと言う。一般的に農業は工業に比べ長いが、ブリードはさらに年月を要する。オオクワを即ブリの状態まで育てるのに、およそ一年半から二年かかる。
オオクワのサイクル、人のサイクル
羽化までは一年前後だが、熟成期間を標準的に羽化後に六カ月設けている。羽化は大体翌年の六月頃から始まるので、その年のブリードには間に合わない。
冬眠明け、温度上昇でブリードの準備は完了する。ペアリングから二年という時間が経過している。同じサイクルを自分自身にあてはめてみた。全く想像できない。
蛹になって成虫になる訳ではないからだろう。今やっていることが二年のリードタイムを経て、何か形になっているのだろうか。オオクワの二年後は想像できても、大人の人生は不確定要素が多く分からない。(吉虫)