六年越しでも忘れずに自社血統を評価

ブリードルーム

自社血統(仮)は二〇二二年羽化オオクワガタに貢献しただろうか。六年前、大型化した個体の一部は共通の種虫から来ていたのを見付け、系統番号を付け自社血統(仮)とした。筆者はその子孫を追いかけることを決めた。二○二二の羽化割出が終わり、データ数は分析できるだけのボリュームになった。

まず、分析は八頭の八〇ミリ台に達した個体から始めた。貢献度は種虫を母数として、そのうち何%が自社血統かで評価した。結果は五七%が自社血統(仮)を内包していた。別の角度から考察すると、半分弱は突然変異による一発屋か未知の血筋と解釈できる。

根拠を強化するため、筆者はサイズ上位クラスの七九ミリ台、七八ミリ台も検証してみた。八〇ミリアップの分析は上位八位のサイズだけだったので根拠が弱いと感じた。一つ下のクラスは頭数も増えるが、七九ミリ台で六二%、七八ミリ台で六四%とサイズが小さくなるにつれて自社血統(仮)の貢献度が高くなっていた。全体の平均サイズは七四ミリ台なので、自社血統(仮)は平均サイズ以上の個体に大きく影響していることが分かった。

自社血統(仮)は系統ごとに番号が振られている。貢献度は系統毎にどの程度の差があるだろうか。集計結果は三世代前に登場した一四五八系統が最も貢献度が高かった。二番手は二世代前の一八七八系だが、八〇ミリ台で差がないものの七九ミリ、七八ミリ台で大差になっていた。一四五八系の血は当初の期待通りの活躍をしていて安堵した。

過去六年で認定した自社血統(仮)は一定数がサイズ上位の個体を輩出していた。サイズ順で種虫を選別していくので、サイズダウンはクワカブ研究所というガラパゴス生態系で子孫をつなげない。しかし、この六年は成功ともいえず、期待した八五ミリ以上のサイズが出ていない。期待は新たな系統が突然変異で生まれ、状況を打破することだ。(吉虫)

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