月夜野きのこ園ブリードルームでは、月夜野きのこ園での昆虫の飼育や産卵などについてを発信していきたいと思います。第26回は環境についてです。
紅葉の季節
みなかみ町の標高三百メートル台に、紅葉がやって来た。先日、結構な雨降り、さらに気温が下がったからだ。毎年思うことだが、自然のダイナミズムは、我々の小さな生活を圧倒する。同時に、オオクワガタにとっても、冬入りしたことを告げる。
種種雑多な都合で、毎年の様にブリード部屋が変わっている。部屋ごとに温湿度の変動を計測・分析をしているが、ほぼ白紙の状態からスタートになる。漠然と温度管理さえでればという考え方は、非常に安易だと気付く。なぜなら、産卵、羽化が安定しないからだ。
当然、個体ごとに遺伝情報が違う。また、同じ部屋の中でも、温まりやすい場所、冷えやすい場所がある。スポットを突き止めても、制御することは容易ではない。最終的に、原因の拠り所を、遺伝や環境に求めてしまいそうになる。
オオクワガタとともに
安易な原因追及に満足しない。その言葉を頭に刷り込んで、新しい環境に挑み続ける。今年はさらに農業用ハウスという、制御が難しい環境が与えられている。結果が悪くても、言い訳はいくらでもできてしまう。でも、自分の心に負けたくない!待ち受けている試練は、オオクワガタとともに戦っていく。(吉虫)